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4. 二次障害と重複する症状について

 

発達障害は、もともとの症状による困り感だけでなく、

成長する過程で、うつや不安などさまざまな症状を引き起こしやすいことが知られています。

 

こういった二次的に引き起こされる症状(二次障害)の方が先に表面化して、

そこで初めて発達障害の存在に気づかれる方も少なくありません。

また、二次障害のみが注目されて、背後にある発達障害には気づかれないこともあります。

 

特に、幼少期はどうにかやり過ごすことができていた人や、

子どもの頃には発達障害という概念が知られていなかった世代の方は、

大学・就職・結婚と、社会的に求められることが複雑になるにつれて、

ご自身の課題を自覚されることが多いです。

 

「なんで自分は皆のように出来ないのだろう?」と自信をなくし、

なんとなく抑うつ気分や引きこもりがちになったり、イライラがつのってカッとなったり、

自覚はなくても、不安や過度ののめりこみから体調不良や不眠になる方もいらっしゃいます。

依存症につながりやすいことも知られています。

 

このような場合は、もともとの症状を緩和することを考えなければ

同じことを繰り返してしまいますので、

背後にある特性に気づくことが回復のための鍵になります。

 

また、二次障害とは別に、重複しやすい症状にも注意が必要です。

発達障害支援法の定義では、自閉症スペクトラム障害、学習障害、ADHDが明記されていますが、

これらの症状を重複してもっている方もいらっしゃいます。

 

自閉症スペクトラム障害とADHDの特徴の中には似ている症状もありますが、

かなり異なるものなので、重複するのは不思議な感じもします。

しかし、両方の診断基準を満たす方が多くの割合でみられるという研究結果もありますし、

臨床現場でもそのような印象を受けます。

両方の特性をおもちの場合は、困り感やサポートのニーズも異なりますので、

それをふまえて支援計画を立てることが重要になるでしょう。

 

大人のADHD(発達障害)は、ほかにも多彩な症状を合併しやすく非常に複雑ですので、

診断や支援のためには時間とマンパワーを要します。

まずは、大人の発達障害に詳しくて、あなたに寄り添ってくれる専門家を見つけて、

一緒にじっくり取り組むことが大切です。

 

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